溶けた砂

音楽にまつわる日々徒然

言霊

リルケ「若き詩人への手紙」 ただ一つの手段があるきりです。 自らの内へおはいりなさい。あなたが書かずにいられない根拠を 深くさぐって下さい。 それがあなたの心の最も深い所に根を張っているかどうかを しらべてごらんなさい。もしあなたが書くことを止められたら、 死ななければならないかどうか、自分自身に告白して下さい。 何よりもまず、あなたの夜の最もしずかな時刻に、 自分自身に尋ねてごらんなさい、私は書かなければならないかと。 深い答えを求めて自己の内へ内へと掘り下げてごらんなさい。 その源泉にのみあなたは、あなたが創作せずにいられないかどうかの 答えを見いだされるでしょう。 その響きをあるがままにお受け取り下さい。 そしてもしこの答えが肯定的であるならば、もしあなたが 力強い単純な一語「私は書かなければならぬ」をもって、 この真剣な問いに答えることができるならば、そのときは あなたの生涯をこの必然に従って打ちたてて下さい。 あなたの生涯は、どんなに無関係に無意味に見える寸秒に至るまで、 すべてこの衝迫の表徴となり証明とならなければなりません。 春の嵐の中に悠々と立って、そのあとに夏がくるかどうかなどという 危惧をいだくことのない樹木のように成熟すること。 結局夏はくるのです。 だが夏は、永遠が何の憂えもなく、静かにひろびろと 眼前に横たわっているかのように待つ辛抱強い者にのみくるのです。 月満ちるまで持ちこたえ、それから生む、これらがすべてです。 力強い言葉だ。 「私は書かなければならぬ」 その意味を見つけることが出来たなら、どんなに人生は輝くことだろう。 私たちは自分の存在を、その及ぶかぎりの広さにおいて 受け取らねばなりません。 信じるために 何のために生まれてきたかの意味探るぞ 私だって!